ハードディスクはいつまで延命できるか
![]() | Tweet |
先日まで、いろいろとSSDやNANDの話を書いてきましたが、ではNANDの快進撃がこのままつづけば、いったいHDDの市場はどうなるのかということを考える一つの指標として、グラフを作ってみました。
2007年の価格を元に、HDDは2年で2倍。NANDは1年で2倍になるという法則が続くと仮定して4年後の2011年のGBあたりの価格を単純にプロットしただけです (価格は市価を参考にしましたが、結構適当だったり所詮Webで価格を見ただけなので、今見ても結構間違ってますが、対数グラフなので目立たないのと、あくまで傾向が見れればいいと考えて作ってるので、参考ということでご容赦ください)
というわけで、まず2007年のグラフをみると、最近市販のPCにも採用されつつあるNANDの1.8インチや2.5インチタイプと、それぞれのHDDではやはりGBあたりの価格はHDDに軍配が上がります。
しかし、2009年では1.8インチHDDとの差がつまり、2011年では1.8インチHDDよりもNANDが安価になることが分かります。2.5インチHDDも風前の灯火です。また、1.3インチHDDは現時点でもNANDに価格で負けており競争力がほとんどないことも分かります。
最近4年ぶりにアップグレードしてもらった会社支給の軽量ノートPCにも搭載されるほど、普及期に入ったと思われた1.8インチHDDの寿命もあと数年のようです。
小型HDDがなくなる大きな節目としては、1インチHDDの市場のSSDへの入れ替えがあり、その代表がiPod miniと iPod nanoの世代交代ですね。初代iPod mini が販売されたのは2004年1月、iPod nanoが2005年9月でした。これは当時SSDがこんなに安くなったのかということがとても印象深かったですが、まだ3年も経ってないんですね。
こういったこともグラフにすると少しだけ洞察できます。
また、ついでにOptical-R(CD-R、DVD-R、BD-Rなど)を載せました。グラフにするとBD-R DL(50GB)は誰も買わないんではないかと思うくらい高いのが分かります。逆にDVD-R(4.7GB)は容量当たりの価格が最も安いメディアです。さすがです。
ただし、DVD-Rはこれ以上価格は下がらないでしょう。理由は、CD-Rが現在50枚1700円程度(3.4円/枚)で先月買ったのですが、同じメーカのDVD-Rは50枚で2200円(4.4円/枚)、と30%程度の差しかありません。ここまでくれば、BD-Rの一枚2-3千円と比べれば、DVDのプレミアがないに等しいです。
一方に3.5インチはどうでしょう。デスクトップパソコンではテレビとの一体型のような使い方では2.5インチHDDが使われるようになり、x86サーバでは内蔵HDDは最近は2.5インチSASが一般的になりつつあり、3.5インチHDDの用途をつぶしています。逆にHDDレコーダなどは3.5インチHDDが搭載されることで需要を作っています。サーバ分野では外付けストレージはまだ3.5インチがほとんどです。
3.5インチの今後を予想するとしたら、家庭でも企業でも動画などのコンテンツ用に大容量のストレージが必要なのはますます増えると思うため、家庭ではHDDレコーダやホームサーバなどで3.5インチHDDの需要は継続すると思います。企業でも数百TBや数PB必要なところは3.5インチHDDは重要でしょう。
逆にデスクトップPCでは、OS領域はせいぜい数十GBでいいので、2.5インチHDDやSSDにとって代わると思います。
また企業向け外付けストレージでもメールサーバや業務サーバのストレージはせいぜい数TBから数十TBで十分なことが多いです。ただし性能を考えると、数十本のRAIDを組む必要があります。数TBの容量では3.5インチHDDでは数本で済んでしまうのためRAIDが組み難いです。そのため、2.5インチHDDの外部ストレージが需要の間隙をついて出てきてもおかしくありませんし、いくつか出始めているようです。
ただ、これもNANDが大容量化すればなくなってしまいそうな製品となり、寿命はそんなに長くないと考えられます。



【過去の記事】
ISSCCの雑記1SSDの大容量化はいつまで続くのでしょうか。
NANDとハードディスクの性能向上の違い
ブルーレイの終わりの始まり
2TBまでしか対応しないSDXCメモリカード
2007年の価格を元に、HDDは2年で2倍。NANDは1年で2倍になるという法則が続くと仮定して4年後の2011年のGBあたりの価格を単純にプロットしただけです (価格は市価を参考にしましたが、結構適当だったり所詮Webで価格を見ただけなので、今見ても結構間違ってますが、対数グラフなので目立たないのと、あくまで傾向が見れればいいと考えて作ってるので、参考ということでご容赦ください)
というわけで、まず2007年のグラフをみると、最近市販のPCにも採用されつつあるNANDの1.8インチや2.5インチタイプと、それぞれのHDDではやはりGBあたりの価格はHDDに軍配が上がります。
しかし、2009年では1.8インチHDDとの差がつまり、2011年では1.8インチHDDよりもNANDが安価になることが分かります。2.5インチHDDも風前の灯火です。また、1.3インチHDDは現時点でもNANDに価格で負けており競争力がほとんどないことも分かります。
最近4年ぶりにアップグレードしてもらった会社支給の軽量ノートPCにも搭載されるほど、普及期に入ったと思われた1.8インチHDDの寿命もあと数年のようです。
小型HDDがなくなる大きな節目としては、1インチHDDの市場のSSDへの入れ替えがあり、その代表がiPod miniと iPod nanoの世代交代ですね。初代iPod mini が販売されたのは2004年1月、iPod nanoが2005年9月でした。これは当時SSDがこんなに安くなったのかということがとても印象深かったですが、まだ3年も経ってないんですね。
こういったこともグラフにすると少しだけ洞察できます。
また、ついでにOptical-R(CD-R、DVD-R、BD-Rなど)を載せました。グラフにするとBD-R DL(50GB)は誰も買わないんではないかと思うくらい高いのが分かります。逆にDVD-R(4.7GB)は容量当たりの価格が最も安いメディアです。さすがです。
ただし、DVD-Rはこれ以上価格は下がらないでしょう。理由は、CD-Rが現在50枚1700円程度(3.4円/枚)で先月買ったのですが、同じメーカのDVD-Rは50枚で2200円(4.4円/枚)、と30%程度の差しかありません。ここまでくれば、BD-Rの一枚2-3千円と比べれば、DVDのプレミアがないに等しいです。
一方に3.5インチはどうでしょう。デスクトップパソコンではテレビとの一体型のような使い方では2.5インチHDDが使われるようになり、x86サーバでは内蔵HDDは最近は2.5インチSASが一般的になりつつあり、3.5インチHDDの用途をつぶしています。逆にHDDレコーダなどは3.5インチHDDが搭載されることで需要を作っています。サーバ分野では外付けストレージはまだ3.5インチがほとんどです。
3.5インチの今後を予想するとしたら、家庭でも企業でも動画などのコンテンツ用に大容量のストレージが必要なのはますます増えると思うため、家庭ではHDDレコーダやホームサーバなどで3.5インチHDDの需要は継続すると思います。企業でも数百TBや数PB必要なところは3.5インチHDDは重要でしょう。
逆にデスクトップPCでは、OS領域はせいぜい数十GBでいいので、2.5インチHDDやSSDにとって代わると思います。
また企業向け外付けストレージでもメールサーバや業務サーバのストレージはせいぜい数TBから数十TBで十分なことが多いです。ただし性能を考えると、数十本のRAIDを組む必要があります。数TBの容量では3.5インチHDDでは数本で済んでしまうのためRAIDが組み難いです。そのため、2.5インチHDDの外部ストレージが需要の間隙をついて出てきてもおかしくありませんし、いくつか出始めているようです。
ただ、これもNANDが大容量化すればなくなってしまいそうな製品となり、寿命はそんなに長くないと考えられます。



【過去の記事】
ISSCCの雑記1SSDの大容量化はいつまで続くのでしょうか。
NANDとハードディスクの性能向上の違い
ブルーレイの終わりの始まり
2TBまでしか対応しないSDXCメモリカード
![]() | Tweet |
このカテゴリの最新記事一覧 | |
---|---|
| ―HDD, NAND, 次世代DVD | 07時59分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑