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オーストラリアの次期潜水艦と日本の輸出の個人的まとめ


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The third of the Collins Class Submarines to enter service, HMAS Waller's
The third of the Collins Class Submarines to enter service, HMAS Waller's
(source: http://www.navy.gov.au/hmas-waller)

 日本からオーストラリアに潜水艦を輸出するかどうか、輸出するとして機密はどうするのか、オーストラリアはコリアや中国と近いから信用できるのかとか色々チマタでは言われているようで、色々自分もこんがらがってきたので、ちょいとまとめてみる。

 基本的な私のスタンスとして、売れるものは売っちゃえ~ なのですが


 まず、オーストラリアの2009年の白書(White Paper) p64に、
http://www.defence.gov.au/whitepaper/2009/

By the mid-2030s, we will have a heavier and more potent maritime force. The Government will double the size of the submarine force (12 more capable boats to replace the current fleet of six Collins class submarines),
 つーことで、豪政府は2030年半ばには、12隻以上の新型潜水艦を持ちたいと。






 Wikipediaのコリンズ級のリプレース章をみると
http://en.wikipedia.org/wiki/Collins-class_submarine#Replacement

The submarines originally had a predicted operational life of around 30 years, with Collins to decommission around 2025.
 1996年就役のコリンズ級1番艦は、30年周期でリプレースするとすると退役は2025年。(まあこの手の話はたいてい延びるだろうだけど)。。。
今の艦もあと10年は使おうとしてるわけで、仮に上手く計画が回ったとしても2026年から就役になるでしょう。 

 で、次世代そうりゅう型の28SS(2016)の就役は2021年前後と思われるので、オーストラリアがそうりゅう型を買ったとしても、すでに一世代古い。少し豪側のスケジュールが遅れれば2世代古くなることも。
日経の記事をみると2030年代に退役とあるし。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H0A_Z00C14A9EAF000/

 あとは、白書のp70で、
The Government has ruled out nuclear propulsion for these submarines.
 また、Wikipediaにも、
Nuclear propulsion was ruled out at an early stage of the project, because supporting nuclear submarines without a nuclear power industry in Australia and public opposition to such infrastructure would be extremely difficult
 とあって、オーストラリアには、原子力発電所がないので原子力産業もなく、国民の反対もあるんだから、原潜は無理っしょと。ウラン鉱石はたくさん取れるんだけど(カザフスタン、カナダに次ぐ世界3位の採掘量)
http://www.world-nuclear.org/info/Nuclear-Fuel-Cycle/Mining-of-Uranium/World-Uranium-Mining-Production/
uranium-production-country-by2012.png

 日本の場合は、少なくとも原子力産業はあるし、PWRを作れるMHIも、世界最初の原潜ノーチラス号の原子炉を作ったウェスティングハスウを買収した東芝もいるのでそこは全然違うところ。国民の反対は日本のほうが強いだろうけどね。


豪、日本の潜水艦10隻購入へ? 元軍人は賛同も、野党・労働者は反発 | http://newsphere.jp/world-report/20140909-4/
この記事やその他の記事みると、業界団体や野党労働党の反対もかなり強そうだし、政治的にどのあたりが落としどころで決着つくんでしょうね。それにしても最後のコメントは軍側のわかりやすい本音だね。
【退役軍人会は輸入に納得】  一方、豪退役軍人会のドン・ロウ会長は、『news.com.au』の取材に対し、一部の保守的な会員を除き、ほとんど反発の声は上がっていないと答えた。同会長は、「(コリンズ級の)大失敗はもう見たくない。重要なのは最上の艦を得ることだ。ドイツから(レオパルド)戦車を買ったのは、それがベストだったからだ」と述べた。

 あと、米国にとって英国および旧英国領で白人国家のカナダ、オーストラリア、ニュージーランドは第一級の同盟国だから米国の待遇が日本とは違う(それ以外の米国の同盟国は日本も含めてニ級同盟国)。せっかく輸出三原則を変えたのに、豪州にすら輸出できないのであれば、他の装備も含めて、今後どこからも日本に買いたいと言ってくれなくなるだろうなと思うわけです。


豪が日本の潜水艦購入か、報道に野党や業界反発 | http://www.afpbb.com/articles/-/3025412
この記事だと、業界や野党の反発の記事の他に、「最終的な決定は、15年6月に公表予定の次の国防白書で明らかになる見込みだ。」と来年初夏には最終決定されるような書き方ですね。


 そうそう、大昔にリチウムイオン二次電池を潜水艦につかうのなんて、どうなの?という記事を書いてたのですが、
 潜水艦の二次電池にリチウムイオンを採用するようです http://kenknown.blog42.fc2.com/blog-entry-8.html
本格的に採用されるみたいですね。 
もう、民間ジェット機のB787にもリチウムイオン載せているくらいだし( http://ja.wikipedia.org/wiki/ボーイング787のバッテリー問題)そろそろ技術的にこなれてきた感じがする。
それよりも、リチウム電池の高性能化によって、せっかく物にしたスターリングエンジンが要らない子になってしまうとは。。。

28SS型では、そうりゅう型のようなスターリング・エンジンや開発中の燃料電池などのAIP機関は搭載せず、そのスペースに大量のリチウムイオン電池を搭載することで、AIP搭載艦レベルの連続潜航能力だけでなく、AIPでは出力不足でできない、既存通常動力艦を大きく超える高速発揮や高速巡航を可能とする予定である。……猛烈なスピードで発達した蓄電池技術により、AIPが不要とされるとは、いったい誰が予想しただろうか。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%9D%E3%81%86%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86%E5%9E%8B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6


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